【活動報告】「第7回樫友ウォーク」酒匂川の治水の歴史とビール工場

第7回樫友ウォークは11名のご参加をいただき、無事終了しました。

以下、当日の模様を杉浦リーダー(高19)の文と佐野さん(高19)・津田さん(高27)の写真で報告します。

前日、神戸から樫友ウォーク参加の皆様に「小雨決行」の旨を連絡させていただきました。当初、参加者は15名の予定でしたがこの時点で4名が脱落で参加者は子供さん1名を含めて11名となりました。リーダーは澤さん(高18)です。

山北駅を出発

山北駅を出発

当日、集合時間の山北駅はパッラパッラと雨粒が落ちる程度。跨線橋を渡ると消防車と自衛隊の対空ミサイルを搭載した車両の展示があり、自衛隊員の皆さんが今日の「山北町産業祭り」の準備に余念がありませんでした。自衛隊員に「がんばってください」と声をかけ、室生神社に向かいました。

対空ミサイル搭載車両

対空ミサイル搭載車両

室生神社に着くと雨が本降りに。神社前の道路がまっすぐに伸びており、毎年11月3日にはここで800年も続く流鏑馬が行われるとのことです。流鏑馬の起こりですが、源頼朝の石橋山挙兵の際、山北の領主であった河村義秀は平氏に与し斬刑になるところでしたが、流鏑馬の妙技を披露したことで許されたことによるのだそうです。まさに芸は身を助ける。

室生神社

室生神社

室生神社を出発。246号線の下をとおり、坂道を上ってゆくと川村小学校があります。河村城の下になぜか川村小学校がありました。坂はここを頂点にしてだらだらと下り坂です。しばらく進んでゆくと広く開け、日のよく当たりそうなそれでいて小高な場所に出ました。ここに河村氏の居館がありました。いざというときには背後の城に立て籠もり合戦という中世の武士の生態が分かります。河村氏は建武の中興の時代に南朝方に与し、敗れてしまいます。その結果各地に散ってゆきます。名古屋の河村市長、山口県萩の河村建夫国会議員などがその末裔だとのことです。雨が降り続いています。河村城跡へは足下が危ないと言うことで上りませんでした。残念。

次に向かうのは釜淵です。酒匂川の流れを左手の下に見ながら岸辺の細い道をさかのぼっていくと釜淵が見えました。対岸には発電所があり、その手前に春日森土手があります。この土手により水流を釜淵に当て流れを弱め、さらに岩流瀬(がらせ)土手で流れを千貫岩にぶつけて東に流しているとのことです。このような土木工事を「甲州流の治水」と言うそうです。この河川改修は富士山の宝永噴火の灰で河床が高くなったことにより引き起こされた洪水対策として始まり、長年月と多くの人々の苦心を要して完成されました。大久保長安、田中丘隅や簔正高の名が伝わります。

釜淵

釜淵

新大口橋を渡ると福澤神社です。ここで一休み。福澤神社はこの堤(文命堤)鎮護のために創建されたのだそうです。神社の入り口には堤にかかわる石碑がいくつか立っていました。そろそろお昼です。雨はまだ降っていますが昼食のため南足柄市運動公園に向かいます。雨は降り続いていますが一行は楽しく昼食。

福沢神社

福沢神社

元気を回復してアサヒビール神奈川工場を目指します。

六万年前の箱根火山噴火により出来た怒田丘陵の坂を上ると向かいの山中にビールの貯蔵タンクが見えてきます。

ビール工場遠景

ビール工場遠景

上ってきた丘の頂上には工場への給水場がありました。遠くまで給水するものだと思いながら谷底へ下っていくと雛にはまれな立派な山門があり小さいけれども仁王像が安置されています。境内には「博打の木」がありました。手遊びの度をこして「すってんてんのすっぽんぽん」にならぬよう気をつけましょう。寺は慶伝寺といいます。

慶伝寺

慶伝寺

さらに進みます。竹藪の横に荒れ果てた朝日観音堂が現れます。堂の横にはまだ新しい収蔵庫があり由緒正しい観音様がこの中にいらっしゃるとのこと。少し安心しました。行く手前方に上怒田の集落があります。丘陵と丘陵に挟まれた場所ですが、意外と広く日当たりはよさそう。竹林の間を抜けて行くとすぐにかなり急な上り坂です。これを上ればお目当てのアサヒビールです。かなり急で長い坂道。最後のがんばり、「がんばれ、がんばれ」と自らをはげまして上りました。頂上に着くと右手が大きく開け安藤忠雄の設計になる工場が目の前に現れました。

ビール工場で集合写真

ビール工場で集合写真

さあ、工場見学とビールの試飲。試飲は30分で3杯飲める。見学は無用とウワバミどもは心がはやる。が、試飲の前の見学は必至。面倒なことだと思いつつ見学へ。赤い制服の説明嬢登場。眉太く、眼は大きく、その光はするどい。口上を述べ始めるとその弁舌の巧みなこと、驚きました。このような方がこんな鄙にいらっしゃるとは。?波花月や松竹演芸場の舞台の上にいらしてもおかしくない。と楽しく面白い説明を聞きながら試飲場へ。30分で3杯ですから心のはやる方も多かったと下戸の私は心配でした。

名物説明嬢

名物説明嬢

楽しく試飲

楽しく試飲

試飲が終わりピッチ早くしたおかげか皆さん「いい気持ち」と上機嫌。しかしまだまだウォーキングは続きます。関本まで降りなければなりません。怒田の丘陵の尾根を歩くこと20〜30分やっとゴールの大雄山駅に着きました。

リーダーの澤さんの詳しく適切な説明で雨中ではありましたが、全員楽しく無事に歩くことができました。澤さん、皆さん雨の中お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
 
※今回ガイドしてくださった澤さんの作成された資料をご覧ください。
第7回樫友ウオーク参考資料(PDF)

※3月23日(祝)に春の樫友ウォークの実施を予定しています。

別途、樫友会HPで開催連絡をしますので、ご参加のほどよろしくお願いします。

※本件のお問い合わせ先:交流委員長・蛭田克美
電話:090-8478-0895
E-mail:hiruta@interhuman.co.jp