生物標本群の保存・活用(教材展示室)

令和4年3月、生物教材室に保存されていたホトトギスのメス、ブッポウソウ、ヘラシギ、ウミスズメ、ハリモグラ、シラコバトをクリーニング・補修し、教材展示室と生物教材室に展示しました。環境省は令和元年にレッドリストを公表し、絶滅危惧種を絶滅危惧IA類(ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの)、絶滅危惧IB類(IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの)、絶滅危惧II類(絶滅の危険が増大しているもの)に分類しています。国際自然保護連合(IUCN)は昭和39年(1964)からレッドリストを公表し、絶滅危惧LCは低危険種という評価です。

ホトトギスのメス(明治45年)
ホトトギスのメス(明治45年)
ブッポウソウ(大正元年・絶滅危惧IB類)
ブッポウソウ(大正元年・絶滅危惧IB類)
ヘラシギ(大正8年・絶滅危惧IB類)
ヘラシギ(大正8年・絶滅危惧IB類)
ウミスズメ(大正11年・絶滅危惧IA類)
ウミスズメ(大正11年・絶滅危惧IA類)
ハリモグラ(昭和7年・絶滅危惧LC)
ハリモグラ(昭和7年・絶滅危惧LC)
シラコバト(採集年不明・絶滅危惧IB類)
シラコバト(採集年不明・絶滅危惧IB類)

平成31年3月には、アズマモグラ(明治29年)、チョウザメ(明治38年・絶滅)、キツネ(明治40年)、テン(明治40年)、キタオットセイ(明治43年・絶滅危惧II類)、トキ(明治45年・野生絶滅)、カモノハシ(大正13年・絶滅危惧LC)、ヒル(明治44年)、ウナギの発育順序(大正13年)、オオサンショウウオ(昭和2年・絶滅危惧II類)をクリーニング・補修し、キタタキ(大正元年・絶滅)とともに教材展示室に展示しました。

令和3年3月には、ライチョウ夏毛・冬毛(明治44年・絶滅危惧II類)、オガサワラオオコウモリ(大正元年・絶滅危惧IB類)、サカタザメ(大正2年)、アマミノクロウサギ(大正13年・絶滅危惧IB類)をクリーニング・補修し、教材展示室に展示しました。

絶滅種・絶滅危惧種の標本は学術的に貴重ですが、普通種でも明治・大正時代の標本は近代中等教育の「歴史的教材」として貴重です。ぜひご覧ください。今後もクリーニング・補修と展示を進めていく予定です。